えビ。
いつものバス停にて――
「ココイチがエビカレ〜かぁ〜……」
イブキがグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。
「2023ネンにハンバイされてコ〜ヒョ〜だったため、こんかいサイハンされたかぁ〜……」
「オマ〜ルエビのうまみがたっぷりとけこんだノ〜コ〜なカレ〜ソ〜スだトクチョ〜かぁ〜……そ〜きくとエビのあまいうまみがとけだして、すっごくおいしそぉ〜にきこえるんだよなぁ〜……」
「違うの?」
隣で月夜が聞いてくる。
「トマトのサンミでぜんぶきえちゃてるんだよねぇ〜……」
「そうなの?」
「2023ネンのときはそ〜だったよぉ〜……べつにトマトにがてでもキライでもないけど、エビあじをキタイしてたべると『んっ⁉︎』ってなる」
「エビエキスのはいった『トマトエビカレ〜』だったら、わかるけどねぇ〜……」
「まあ、魚介ダシみたいな深みというかコクを感じさせるやつをカレ〜みたいにインパクトのあるやつに入れちゃうと全部消えちゃかもね〜」
「なまクリ〜ムでコクもだしてるらし〜よ。とりあえずグザイの『エビまし』して、たべるけどぉ〜……」
「オマ〜ルエビってトマトみたいなアジやサンミないよね?」
真っ赤に茹で上がったオマ〜ルエビと真っ赤なトマトを頭上に浮かべながら、そういうイブキだった。




