カ。
いつものバス停にて――
「ウチのバ~キンが店舗拡大か~……」
月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。
「九月から一〇月にかけて八エリア十二店舗を出店するか~……もう、マックみたいに増殖に増殖しまくってもいいわよね~……一個の市に三〇のバ~キンとか義務化されないかしら?」
月夜がそんな事を言いながら、続きを読み進める。
「現在は全国に三〇八店舗あり、二〇二八年末までに六〇〇店舗まで拡大させる予定か~……」
月夜がそんな事を言っている隣では、
「ヤクザイ・デンキふよ~ミズをいれておくだけでカをゲキタイできる『でちゃいカン』かぁ~……」
イブキがテクノロジ~系ニュ~スの中にあった、そんな記事を読んでいた。
「ミズをいれておいておくだけでカをクジョできる……ホントならまさにカガクのショ~リだよねぇ~……ジンルイしじょ~もっともヒトをころしている、たいりょ~サツジンせ~ぶつの『カ』」
「アメリカぐんがDNAをかきかえてなんぜんびきのチをすえない『カ』をつくってゼツメツにのりだしたけど、なんなくトッパしてきた、でんせつのマチュ~『カ』」
「そんな大層な存在なの?」
「魔蟲とかっていわれると人のサイズぐらいあって、大量で――」
「それはファンタジ~。げんじつはちいさいモノでもあなどれないんだよぉ~」
蚊に好まれるイブキがそういうのだった。