こ~ど~け~かク。
いつものバス停にて――
「はま寿司では大トロか〜……」
月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。
「はま寿司は九月九日より『みなみまぐろの大トロ』が一貫一〇〇円で提供される。脂がのっていてとろけるような味わいか〜……まあ、大トロはいまさらいう事ないわよね〜……たまに大トロは脂がしつこいから中トロのが好きって人いるケド〜……やっぱり脂はおいし〜わよね〜」
そんな事を言いながら、続きを読み進める。
「さらに脂ののりがよく柔らかな身を堪能できる『あぶらがれい』にほどよい甘みと貝の濃厚な旨味を楽しめる『黒みる貝』は全部一〇〇円で提供されるか〜……」
「コリコリした食感の『あわび』。あわびいいケド~……一貫で一六〇円なのね~……」
画像を見ながら、そんな事をいう月夜。
「あとは炙り豚とろか~……肉寿司って気分じゃないのよね~……『あんきも軍艦』は割と良さそう、『金目鯛の天ぷら握り』も良さそうね~全部一六〇円だケド……」
「大トロばっかりであわび挟んで大トロ、あんきもって感じかしら?」
「この『わぐりモンブラン』は?」
隣からそういってくるイブキ。
「そういうのは食べない」
そう言い切る月夜だった。




