すたいル。
いつものバス停にて――
「伝説のすた丼屋が七月から販売している新メニュ〜がすごい?」
月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。
「がっつり飯のチェ〜ン『伝説のすた丼屋』が二〇二五年七月から販売している『冷やし肉そば』と『ねぎポン酢すた丼』いままで数々の伝説的なメニュ〜を考案してきたすた丼屋でも麺メニュ〜ははじめての試み――そっか〜……吉野家でまぜそばでる時代だしね、多少はね」
そんな事を言いながら、続きを読み進める。
「最近、がっつり系がブレてるわよね〜。六月にも『トロロぶっかけすた丼』だしてるし」
「暑い、さっぱりした物? ウチはこってりアブラがすっごいやつしか置いてねっ! ってスタンスだったのにな〜」
「それでやっていけないから、ロセンへんこ〜したんじゃないのぉ〜?」
隣でそんな事をいうイブキ。
「実食レビュ〜もあるのね〜……」
イブキの意見を無視して記事を読み進める。
「麺三二五グラムで肉二二〇グラム……割合はいいわよね〜」
「肉の氷山のようか〜……特大の丼に肉がいっぱい盛られ、にんにくのパンチの効いた濃厚なス〜プは冷製でもおいし〜か〜……」
「まあ、一回は食べておくかな〜」
あっさりと承認してしまう月夜だった。