でかちキ。
いつものバス停にて――
「来たわね!」
月夜がグルメ系アプリを見ながら、
「ファミマの四〇パ〜セント増量詐欺」
「サギなの?」
「詐欺なのよ。絶対二倍になってるのに四〇パ〜セントント――一、五倍って言い張るのよ」
「おおいの?」
「大いにのよ」
「イイコトじゃないのぉ〜?」
「イイコトよ」
「じゃ、いいじゃん」
「いいのよ。毎日行っちゃうのよ」
「ヘェ〜……」
「ただ……」
表情を曇らせる月夜。
「この企画って早期終了が多いのよ。五日に分けて、五回か一日に五回を終了まで続けるか……悩みどころよね〜」
「そんなコトでなやんでんだっ⁉︎」
呆れて半分、驚き半分の表情でそういうイブキ。
「とても重要じゃない。あのデカチキをどんだけ大量に――できるなら、他の人よりたくさんほしいじゃない!」
「ん〜……なくなったらザンンンぐらいでい〜じゃん」
「そ〜ゆ〜ワケにはいかないわよっ! スタッフになれば袋買いできるかしら?」
「むしろ、スタッフはあとまわしでおきゃくさんユ〜センじゃない?」
「そっかぁ〜……ウチパックとかウチセットとか作ってくれないかしら? ほら、クリスマスとかだと割とやってくれるじゃない?」
「わかんないケドぉ〜……やってくれるのぉ〜?」
「もう、このファミマにきた増量デカチキは全部ウチの物ってっ!」
「できんになるんじゃない?」
そういうイブキだった。