しゅン。
いつものバス停にて――
「しゃぶしゃぶの温野菜がふぐしゃぶか〜……」
月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。
「七月一七日からやってたのね〜……さすがにもう終わってるかしら?」
カレンダ〜の日付を見ながら、
「肉系を優先してると洩れちゃうわよね。まあ、仕方ないか……」
そんな事を言いながら、続きを読み進める。
「夏こそしゃぶしゃぶをテ〜マに――いいテ〜マよね〜。夏こそしゃぶしゃぶよっ!」
「レ〜しゃぶは?」
隣でそんな事をいうイブキ。
「北海道ふぐを使用したサッパリしゃぶしゃぶ夏ふぐか〜……フグって夏が旬だっけ?」
「アキからハルにかけてってかいてあるねぇ〜……ぎゃくにいえばナツがいちばんでいちばんマズイと――」
「ま、まあ。旬とかは気持ちの問題よ」
「そっかなぁ〜? ソザイがいちばんおいし〜ときをシュンってゆ〜ならそっかなぁ〜?」
「ほら、ウナギも夏なんかぜんぜん旬じゃないのに夏じゃない」
「あれもナツはシュンじゃないから、ナツのウナギやさんがも〜かんないからウナギやさんツゴ〜でつくられたイベントじゃなかった?」
「旬じゃなくっても、おいし〜物はおいし〜のよっ!」
そう言い聞かせる月夜だった。




