4211/4290
て~しょク。
いつものバス停にて――
「吉野家が新メニュ~として角煮を販売か~……」
月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。
「『厚切り豚角煮定食』を期間限定で販売。あれイイのよね~……ただ欠点がひとつあるのよ」
記事をよみながら、そんな事をいう。
「これ定食だけで、単品がないのよね~……牛丼またはカルビ丼を楽しんでうえから角煮を『ズド~ンっ!』ができないのよね~……」
「フツ~のたべてカクニもたべんのっ!?」
隣でイブキがエイリアンかプレデタ~でも見るかのような目で、
「そ~よ。角煮よ。メインにならないじゃない」
「なってるじゃん」
イブキが角煮定食を指しながら、
「こ、これは……なんとかの間違いよ。角煮ってゆ~のは、ハンバ~ガ~屋のポテト的な位置なのよ。サイドメニュ~的なポジションとゆ~か~……」
「チョイ足し的な存在なのよ角煮はっ!」
「だから角煮定食ってウチには『フライドポテト定食』みたいな存在なのよ」
「イイじゃん! 『フライドポテトて~しょく』ぜったいはやるよっ!」
「……絶対はやんないわよ」
そういう月夜だった。