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しんれ〜ど〜が。
いつものバス停にて――
「おぉ! がいこくでわだいのシンレ〜ド〜ガがあるんだっ⁉︎」
と、いうイブキの呟きを耳にすると、若干距離を取る月夜。
「へェ〜……3つのカガミをあわせたよ〜なサンメンキョ〜のカガミにうつるオンナのこのうちひとつがこちらをにらむよ〜にうつってんのかぁ〜」
「………………………………………………」
月夜はイブキのほうに背を向けて、耳にはBluetoothワイヤレスのヘッドホンを着けていた。
艶があり、柔らかそうポニ〜テ〜ルの髪が風もないのに左右に揺れているのは、聴いてる音楽に合わせてか、イブキの呟きで身震いしてか――?
「ねぇねぇ月夜」
構ってくれない月夜に業を煮やしたイブキが直接尋ねる。
「月夜はみたくないの? チョ〜こわいシンレ〜ド〜ガ」
イブキ言葉に振り向く月夜は、
「こ、こわいのホント……ダメ……だから……」
瞳に涙を湛えたまま、そう訴えかける月夜に少し反省するイブキだった。




