にク。
いつものバス停にて――
「二年間予約のとれない人気店の肉料理を食べる方法か~?」
月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。
「予約して二年間別の肉料理を食べながら待つじゃないかしら?」
そんな事を言いながら、続きを読み進める。
「いまスシロ~では――スシロ~? 肉の話しじゃなかったのっ!?」
「スシロ~は六月二五日から二年間予約のとれない人気店『肉料理 二月九日』が監修した特製ダレで味わう肉スシや大切りウナギなどが期間限定で販売されるっ!」
「そ~ゆ~意味ね。肉料理『二月九日』は加東市の住宅街に佇む焼肉料理店。一日一組で予約は数年待ち、肉焼き師が目利きした各地の和牛を部位ごとに最適な焼き加減と味付けで提供してくれるおまかせスタイル」
「肉はもちろん、こだわりのオリジナルだれは唯一無二の味わいを創り出してくれるか~……まあ、そんだけこだわったもてなしならおいし~んでしょ~けどぉ~……一日一組か~……朝昼晩と一日三組やってくんないかしら?」
「とりあえずスシロ~いけば、ちょっとはその肉を味わえるのかしら? でも本物を知らないと判断しようがないわよね~」
「いかないの?」
「行くケド~……」
とりあえず三〇皿かしらと呟く月夜だった。




