にくまつリ。
いつものバス停にて――
「さとで『肉祭り』っ!?」
月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。
「肉の三種の神器を取りそろえるさとで『肉祭り』か~……」
そんな事を言いながら、続きを読み進める。
「五月二二日から六月二五日までの間に持ち帰りの肉丼メニュ~を販売する『肉祭り』を開催……テイクアウトか~……」
少しガッカリしながら、そんな声を洩らす月夜。
「本フェアでは食べ応えのある肉料理が四種類登場する。まず目玉は『スタミナダブル丼』っ!? 期待できそうな名前ね~……」
「ジュ~シ~な塩ダレ牛タンとシットリと柔らかなロ~ストビ~フを一度に楽しめるメニュ~。牛タンは噛むたびに旨味が広がり、ロ~ストビ~フは肉本来のアジわいとやわらかさを楽しめる」
「『和風ステ~キ重』これもいい名前ね。和風ってステ~キはアメリカからはいってきたものだケド、いかにも昔からあります的なところがイイわよね~」
「さらに厚切り牛タンを六枚使用した『厚切り牛タン重』これもイイわね~」
「黒毛和牛を使用した『黒毛和牛すきやき重』もっ!?」
「全部買いねっ!」
瞳をマンガ肉にしながら、そういう月夜だった。