くじラ。
いつものバス停にて――
「おっととがポケモンになる?」
イブキがゲ〜ム系の話題を集めたアプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。
「5ガツのちゅ〜じゅんからポケモンのカタチをした『おっとと ポケットモンスター パッケ〜ジ』をハンバイする」
「まいとしニンキのキカクで――もう1ネンずっとこれでいいよねぇ〜」
「あのクジラの立場がないじゃない」
「クジラなの? おっととだからオットセ〜じゃないの?」
「クジラだって名前は『とと丸』」
「なんでおっととなのにオットセ〜じゃなくってクジラ? クジラぜんぜんカンケ〜ないじゃん」
「最初は名前もなく『赤いクジラ』って呼ばれてたんだって」
「3バイのそくどでおよぎそ〜だねぇ〜」
「それが名前がないのは可哀想って事で一般公募から――四万通の中から『とと丸が選ばれ。一九九七年の四月から『とと丸』となり、初登場から一五年ごしに名前がつけられた」
「ふ〜ん……それまではずっと『あかいクジラ』だったんだねぇ〜」
「選考理由としては覚えてやすくて、日常的に呼んでもらえる事。また『おっとと』といい商品名意識しており、可愛いかあか〜……」
赤いクジラの画像を見ながら、そういう月夜だった。




