なぽりたン。
いつものバス停にて――
「新しい牛丼?」
月夜がグルメ系アプリの中にあった、そんな記事を読んでいた。
「新しい牛丼ね~……もはや食べ物としては究極まで進化している牛丼をさらに高めるか~……その考えはいいケド~……」
「問題はアレよね――すでに究極まで進化してしまっているから手を加えても逆に味が落ちたり、クオリティが下がる可能性のほうが高いのよね~……」
「でも。究極をさらに進化させようという考えじたいは前向きでいいわよねっ!
長々とそう前置きしてから記事を読み始める。
「牛丼チェ~ンのすき屋――そ~よね。やはりカスタムとか新しいこころみはすき屋よね~……そのあくなき探求心が『うな牛』という新たな究極を生み出したのよね~」
「そう考えればいい環境よね。伝統を守ってずっと同じ味を受け継ぐ吉野家、新しい事に果敢に挑むすき屋この二つがあるいい状況よね~」
そんな現状に満足そうな表情をする月夜。
「さ~て、そんな新たな挑戦は――『ナポリタン牛丼』っ!?」
「スパゲティの定番として愛されているナポリタンそれを牛丼を合わせる……ん~……これはまたすっごいのを合体されたわね~」
「しかも『チ~ズナポリタン牛丼』も販売! やっぱりチ~ズは合うからね~。まあ、とりあえず果敢な挑戦として一度食べてみようかしら?」
商品画像を見ながら、そういう月夜だった。




