はみがきコ。
いつものバス停にて――
「ケンタがちまよう?」
イブキがなぜかテクノロジ〜系ニュ〜スの中にあった、そんな記事を読んでいた。
「チキンフレ〜バ〜の『ハミガキコ』をハンバイっ⁉︎」
「犬用とかならあったわよねぇ〜……そんなの」
月夜がいつか来るかもしれない愛犬のために保存してある品を思い出しながら、
「ヒトよ〜だってさぁ〜」
「あげたてのオリジナルチキンのあつくてニクジルゆたかなひときれをかじったときのようなフ〜ミがかんじられる『ハミガキコ』――ハミガキコで感じられてもねぇ〜」
「ま、まあ犬とかは嬉しいんじゃないかしら?」
愛犬用にと買ってみたものの、フライドチキン味の歯磨き粉に若干の興味をおぼえる月夜。
「それに――ほら、揚げたてオリジナルチキンの熱くて肉汁豊かな一切れなんってすっごくおいしそう~じゃない」
「そっかなぁ~? おいしそ~でも……『ハミガキコ』だよぉ~?」
「う、うん。も、もちろんわかってるわよ」
つい~っと目を泳がせつつそんな返答をする月夜。
「こんなのつかうヒトはおろかかうヒトもいないよねぇ~」
「そ、そ~ね。でも、おもしろ半分で買ってみたい気もするわ」
「かうんだっ!?」
そういって驚くイブキだった。




