まぼろしのちょこばなナ。
いつものバス停にて――
「いちぶでひそかにニンキだった――」
「一部で密かにって人気じゃないんじゃない? 人気だったら密かじゃなくなるし、一部って事は大半が知らないって事でしょ? コアなファンが継続的に買って支持してるだけのような?」
イブキの一言にそんな的をえた指摘をする月夜。
「きょねんの6ガツにいちぶチイキげんて〜でハンバイされ、ニンキをはくした――」
「あぁ……限定販売だったのね〜……ならアリエルか」
「『まぼろしのチョコバナナ』こと――いいよねぇ〜……まぼろしとかチョコバナナってきくとアガるよっ!」
瞳をチョコバナナにしながら、そういうイブキ。
「幻はわかるケド……チョコバナナはわからないわ。田嶋牛とか! 松坂牛とか! 飛騨牛! とかだったらわかる」
そんな事をいう月夜。
「このバナナはファミマでうってる『コ〜チさいばいバナナ』でコ〜チさいばいはセ〜チョ〜にジカンがかかるものの、あまくモチモチしたショッカにしあがる……サイコ〜じゃん!」
「で、そのなかでキカクがいのモノ――すてられちゃうモノをつかってチョコバナナにしているっ⁉︎」
「いいことづくめだよねぇ〜」
「これをイチブちいき、ゲンテ〜でハンバイしたところ『まぼろしのチョコバナナ』としてひそかにニンキにっ!」
瞳をチョコバナナにしながら、そういうイブキだった。




