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サマ〜
いつものバス停にて――
「も〜すぐナツ〜!」
イブキが日に日に強くなりはじめた陽光の下で叫ぶ。
「夏イベ楽しみだね〜」
と、月夜も少し同意する。
「ことしはどんなナツのカイブツがくるかな〜」
「うん? 高校野球?」
「ううん。なつやすみにでるビッグなクソゲ〜はそうよばれてるんだよ」
「へ、へぇ〜。ウチもそろそろ夏物買ったりイベントで使うお金貯めなきゃ」
「おぉ! ショ〜ブみずぎだね‼︎」
「まだ、ちょっと水着は早いかな〜行く予定もないし……」
「イブキさんことしはシロのビキ二でいこ〜とおもってます!」
「どこへ⁉︎ ――って、またビキ二?」
「イブキさんのセクシ〜なミリョクでノ〜サツしちゃうんだから!」
「つるぺたズドーンなのに背伸びしてビキニ着た痛々しい姿で?」
「うっ! そ、それがイイってヒトもいるモン‼︎」
「それ以前に去年の水着って誰かに見せたの?」
「……みせて……ない」
「勝負水着の前にまず勝負の土俵に上がるトコからかぁ〜先はながそ〜だ」
気楽にそういう月夜に、
「……が、がむばる」
と、答えるのが精一杯のイブキだった。




