ぱ〜つ。
いつものバス停にて――
「オトコのヒトはいろけムンムンでめがはなせないオンナのコのパ〜ツ⁉︎」
イブキがそんな如何わしい記事を発見する。
「ちょっと貸して」
そういって月夜はイブキのスマホを借り、件の記事に目を通す。
「まず物思いにふける横顔――」
「ん? こんなかんじ」
イブキは少し上を見つめる感じで顔を上げ、意識して哀しの表情をつくる。
「うん……今の表情に漫画の吹き出しみたいなモノつけて『ど〜しよオベント〜わすれちゃった』っていうセリフをいれると似合うかも」
「そーなの? まっ、かなしいかんじはいっしょだよね」
「うん……そうね……。次は『うぶ毛の生えた耳』? なにこれ、男性ってこんなん好きなの?」
「ふ〜ん……みみだしたほ〜がいいかな?」
イブキは短いながらも髪で隠れた耳を触りながら呟く。
「次は色の濃い唇」
「ん〜……どほどほ?」
イブキがキスを求めるようにリップクリ〜ムが塗られた淡い桜色の唇を突き出す。
「色は濃くないかな〜? 色気というより可愛いらしい」
「う〜ん……そっか」
イブキは小首を傾げ不思議そうな表情をしたまま言った。
「形の良い胸」
「イブキさんちっさいけどカタチはいいよ!」
「ふ〜ん……じゃ、次は――」
月夜は少しイブキの胸を見つめた後、さきを続ける。
「次は――健康的なお尻」
「どうどう?」
イブキは短めのスカ〜トに包まれたお尻を突き出し、
「……いいんじゃない」
「――で、月夜からみてイブキさんどう? セクシ〜? いろけムンムン?」
「う〜ん……7点ぐらい」
「やった10てんちゅ〜7!」
ガッツポ〜ズで喜ぶイブキに、
「いや1000点満点中」
「……」
月夜の言葉に固まるイブキだった。




