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きょ~は――
いつものバス停にて――
「ふんふんふんふんふ~ん♪」
イブキがいつになく上機嫌でスマホの自撮り機能を利用し、前髪をきにしたり、手グシで全体的に整えたりをしている――そういえば服装も今日はどことなく気合の入った物になっている。
黒を基調としたノ~スリ~ブで胸元もV字に開いたセクシ~系なもの、ショ~トパンから伸びる脚をおしげもなく晒し、シンプルな厚底サンダルを履いている。
「なんか上機嫌じゃない。なんかあったの?」
と、月夜がイブキに問う。
「ん? きょ~はバレンタインにならんできたいできるひでしょ?」
「へ?」
「月夜しんないの? きょ~はコクハクのひなんだよ!」
「そんな日あんのっ!?」
「あるんだよ。きっときょ~イブキさんのオ~ジさまが――!」
言いながら握り拳を作る。
「はいはい――いい日になるといいわね~」
そう言いながら月夜は今日の休日を満喫するためのお勧めスィ~ツ店をどういう順に回るか思案し始める。
ちなみにこの日イブキが男性と話したのは、
「よ、ヨ~グルトフラペチ~ノひとつ」
の一言だった。




