さいごのばんさん。
いつものバス停にて――
「女子に聞いた、「明日死ぬとしたら最後に何を食べたい?」かランキング」
月夜がスマホでグルメニュ~スを見ていると、そんな記事が目に留まり、興味本位で開いてみる。
「そんなんあるんだっ!?」
イブキがその呟きを聞くと、驚きの表情を顕わにする。
「やっぱし、美味しい物は人を幸せにするからね~。イブキは最後には何食べたい?」
月夜の振りに、
「イブキさんは――たべるモノはなんでもイイから、さいごのしゅんかんまでクソゲやキチクゲ~をじゅっきょ~しつづける!」
グっと握り拳をつくってまで言い切るイブキ。
「はぁ~……家族で過ごすとかもっとマシな過ごし方があると思うケド……」
「シチョ~さんはかぞくです! なかまです!! ド~シなんですぅ!!!」
「ああ。そうですか……。それよりも――」
力説するイブキを軽く流すと、
「1位は寿司なんだ~」
「オスシなんだ」
「そ~みたい。他には――2位が焼肉とおにぎり、4位が味噌汁5位ステ~キ、6位がラ~メンとスキヤキだって」
「ふ~ん……オニギリとミソシルいがいはおとこのヒトといっしょっぽいね」
「あっ! そうかもネ」
「月夜だったらなにがたべたいの?」
「ウチ? ウチなら――」
少し考え込んだ後に――
「全部かな」
「……だよね」
わかってたという表情でそう言うイブキだった。




