しんがた。
いつものバス停にて――
「月夜、月夜~」
イブキが江戸時代なら「てへんだ~! てへんだ~!」と言いそうな感じで走ってくる。
「ん~? どしたの?」
月夜が見ていた、グルメ系ニュ~スから視線を外すと聞き返す。
「タイヘンなんだよっ! シンガタなんだよ!! リュ~シュツなんだよっ!!!」
イブキが興奮ぎみにそうまくしたてる。
「? なんの事?」
月夜が意味がわからず小首を傾げながら、
「――んとね……。あぁ、そのまえにハイこれ」
そういってイブキはアルミホイルに包まれた『イブキ特製フレンチト~スト』を渡す。
「ありがと、イブキ」
途端に上機嫌になりフレンチト~ストを受け取る月夜。
「――んで、なんだったの?」
月夜がト~ストを食べながら、聞き返す。
「コレ、コレ」
そういって掲げたイブキのスマホ画面には――
「一人乗りの背負い型飛行装置販売へ? なにこれ?」
「そのまんまだよ! すっごいよね! とべんだよっ!! すっごいよねっ!!!」
「うん――ハグハグ」
そういって興味なさそうにフレントト~ストを食べる月夜だった。
プロペラ式で時速74キロ、最高高度は1000メートル、稼働時間は30分みたいです。興味のある方は購入してみてください。
価格は2400万円しますが。




