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もえそで。
いつものバス停にて――
「――くっちゅん! はむ」
イブキが盛大なクシャミをした後に身を震わせ、お気に入りのマフラ~に顔をうずめ、制服の上に着たダブっとしたカ~ディガンの裾を引っ張る。
「イブキってさ――」
それを見ていた月夜が口を開く。
「ん~?」
イブキがサイズの合わないカ~ディガンの袖をパタパタさせながら月夜の声に答える。
「イブキのそれって萌え袖?」
「ん? モエソデ?」
イブキがナニソレ? といった感じに首を傾げ聞き返す。
「それよ! それ! サイズの合わない服を着て手を半分だけだすスタイルの事」
「へぇ~そんなふ~にいうんだ」
「知っててしてんじゃないの?」
「ううん。イブキさんはいちばんち~さいサイズでもこんなふ~にダボっとしちゃうだけだよ」
「そっか。イブキっぽくってカワイイよ」
「ん。ありがと」
そういって微笑んだ。




