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おおみそか。
いつものバス停にて――
「おおみそか~!!」
イブキが元気よく両手を振り上げて叫ぶ。
「――でも、キョ~もガッコだぁ……はぁ~」
徐々に尻すぼみしていき、最後に真っ白なタメ息を吐く。
「いいじゃない。大晦日って夜が本番でしょ? あ! 一緒に初詣行く?」
「うん! いくいく」
沈んだ表情が一瞬にして楽しそうに輝く。
「――って、そ~じゃなくって! お~みそかだよ月エモン!」
「ウチを22世紀からやってきたネコ型ロボットにするな~!」
「そ~だよネ。ベンリなド~グだしてくんないし、だいたいなんで月夜もいっしょにガッコいくのさ、さすがにお~みそかはブカツないでしょ?」
「ないよ。ウチは学校で勉強するだけ、集中できるし、先生もいるし、バスは定期でお金かかんないし」
「ねぇ月夜――ちょっとはやめのとしこしソバたべたくない?」
「さ、行くわよ。ソバは今夜の楽しみにとっておくとして」
そういってイブキの真っ白でフワフワのマフワ~の端を掴むと学校へと連行していった。




