こたつ。
いつものバス停にて――
「う〜さむさむ……」
イブキがそう呟きながら、大きめのマフラ〜に顔を埋める。
「今日も冷えるね」
そう同意する月夜も手袋を外した手を耳に当てている。
「月夜なんか、あったかいはなししてよ」
丈の短い制服のスカ〜トから伸びる足で足踏みをしながらイブキが月夜にそう振る。
「すっごい漠然とした曖昧な振りがキタっ⁉︎ まあ、いいけどさ……イブキはコタツで食べたい物ってある?」
こちらも丈の短いスカ〜トから伸びる足同士を膝の辺りで擦りながら言う月夜。
「コタツ? イブキさんトコ、コタツないからわかんない」
「そうなの?」
「うん。ばしょとるじゃん? イブキさんちスト~ブとエアコンだけだよ。あとはアシダンボ~~ぐらいかな?」
「アシダンボ~……」
月夜の脳裏では足にひっつくダンボ~ルのロボットが浮かんだ。
「あぁ、足暖房ね」
「月夜んちはあるの? コタツ?」
「あるよ」
「月夜はコタツでどんなものたべてるの? やっぱしミカン?」
「――もあるし、肉まんとかあんまんとか、休日の朝にパジャマの上からドテラ羽織っただけのままでコタツに仰向けになってタイヤキとか食べたりするよ」
「ふ~ん……」
イブキは月夜の小奇麗な姿を見ながら、
「キュ~ジツの月夜ってそんなんなんだ……」
「う、うるさいな、いいでしょ別に」




