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てぃ〜け〜じ〜
いつものバス停にて――
「ねぇ――」
スマホでグルメ情報を読んでいた月夜が、ふと何かを思い出したようにイブキへ話しかける。
「ん〜?」
イブキがDSのタッチペンでダンジョンマップを描くゲ〜ムをしながら応じる。
「イブキってさ〜家の料理関係は全部やってんだよね?」
「そ〜だよ」
「献立とかど〜してんの?」
「そ〜いうアプリがあるんだよ」
「へ⁉︎ そ〜なの?」
イブキが携帯ゲ〜ム機から視線を外すと、
「うん。カロリ〜ケ〜サンから、エ〜ヨウバランスまで、かんがえられてるメニュ〜いっしきがつくりかたやザイリョ〜までヒョウジされんだよ」
「へぇ〜。でも、たまにはTKGとか食べたくならない?」
「てぃ〜け〜じ〜?」
「TKGの事。単純に玉子と御飯を混ざるだけなのにおいしやつ」
「そうなんだ~」
「納豆いれたり、国産キムチいれたりしてもおいしんだよ」
「でもさぁ~」
「ん?」
「けっきょく、フツ~にごはんとタマゴだけにもどるよね?」
「……うん。まあ、そうだね」
そこは異論がない月夜だった。




