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ちーず。
いつものバス停にて――
「はむはむはむ――」
イブキが秋風吹き抜ける寒空の下、なぜか裂けるチ〜ズを食べていた。
「――って、なんでチ〜ズ⁉︎ こんな寒いのにっ! 普通、あったかいものじゃないのっ⁉︎」
月夜が角煮がゴロゴロはいった中華まんとホットドリンクを持ちながら友人のすたいるに異を唱える。
「これみてよ。チ〜ズたべるとおんながあがるんだよ」
そういってイブキが見せたスマホには、
「『チ〜ズが女子を綺麗にする』? なにこれ? これ読んで影響されたの?」
「うん。はむはむはむ――」
応えながらイブキは棒のようなチ〜ズの塊を細かく裂きながら口に運ぶ。
「でも、チ〜ズって割と高カロリ〜であんまり食べすぎるとデブるよ」
口に詰め込み過ぎハムスターのようになっていたイブキがその一言でピタっと止まり、
「もういいや。月夜にあげる」
そういって月夜の口に裂けてないチ〜ズを突っ込んだ。
残ったチ〜ズは月夜がおいしくいただきました。




