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どくしょ。
いつものバス停にて――
「ふむふむ――」
イブキがいつになく真剣な表情で大型スマホの画面を指でスクロールさせていく。
「……」
月夜はそんな友人の様子に異変を感じながらも、とりたてて突っ込みはせずにいつもどおりオシャレ系ニュ〜スとグルメ系ニュ〜スを読みはじめた。
「うをっ!」
そのタイミングを見計らってイブキがそんなリアクションをする。
「……なに見てるの?」
少し迷った後、月夜はイブキに問いかけた。
「ん? えっと〜〜ね。ドクショだよ」
「はぁ?」
「だからドクショ。ホンよんでんの」
「へぇ〜電子書籍?」
「うん。いまねシュミがドクショだとモテるんだって」
「あ〜それで影響されワケね」
月夜が合点がいったとばかり頷き、イブキの読んでいるモノをチラ見する。
「――って、Web漫画じゃん!」
イブキの女子力アップの日々は続く。




