なべ。
いつものバス停にて――
「これから寒くなると鍋の季節――友達と鍋をつつく時に横暴な鍋奉行にならないようにするには――か」
月夜がそんな記事を読んでいると、
「ナベいいよね~。イブキさんもダイスキだよぉ~」
「でしょ、でしょ!」
「「断ゼン――」
「肉「サカナだよね~」」
二人ともまったく同時に言葉を言い放つ!
「月夜ってニクけ~なんだ……」
「イブキって魚介系なんだ……」
お互い向き合って相手を指さしながら、呟く。
「だって冬っていったらサカナさんでしょ! カキとかエビとかウマミのでるやつをいれてヤサイいれてさ~」
「え~。生臭くなるじゃん」
「ニクのにおいよりマシだよ! ナベがしろくにごるし、へんなアクうくし……ニクなんていれるひとはシロ~トだよっ!」
「でも、タラとかアンコウとか小骨多くて苦手なんじゃない? イブキは」
「タラはちょっと……アンコウはホネもたべれるからヘ~キだよ。みためグロいけど……」
「へ~」
「シイタケとかいれて、あのシャクシャクしたカンショクがすきなんだよね~」
「でも男性はどっちかってゆ~と魚介より肉派が多いみたいよ」
そういって月夜はスマホでアンケ~ト結果を見せる。
「イブキさんもナベにニクいれよっと」
そこは変わり身が早いイブキだった。




