せいちょ〜き。
いつものバス停にて――
「はふはふ」
強めの秋風が吹き荒れる中にホクホクの湯気が上がっている。
「はふはふ――あつあつ――」
湯気の正体は月夜が食べてる中華マンだ。
「月夜……」
「ん? あげないわよ」
「そ〜じゃなくて、あさからよくたべるな〜って、あさごはんたべなかったの?」
「たべたよ」
「えっ! あさたべたのにニクマンたべてんの?」
「肉まんじゃなくってダイロ〜パオ」
「おっきいニクマンじゃん!」
「まあ、そ〜だけど」
「なんかさいきんは、まえにもましていっぱいたべるよ〜になったよね?」
「食欲の秋だからかな? 最近は食べても食べてもすぐお腹空いちゃて……もうウチの胃袋は宇宙だ状態よ」
「ウチュ〜なんだっ⁉︎」
「有名なフ〜ドファイタ〜のキメゼリフよ。でも、ウチらぐらいの歳ならこのくらいフツ〜なんだってさ」
「……イブキさんそんなにたべれない」
イブキの呟きを華麗にスル〜すると、
「ほら、このオシャレ系情報によると、食べても空腹感を感じる場合は一回の量を少なくして複数回食べるほうがいいって書いてあるよ」
「……ショウリョウ?」
イブキは月夜の持つでっかい肉まんを見ながら疑問系で呟く。
「少量。ほんとは二個いきたいトコをひとつに抑えたんだから!」
「……」
こんだけ食べても体型変わらない月夜に人体の神秘を感じたイブキだった。




