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あきのみかく〜
いつものバス停にて――
「ふ〜ん……松茸ってそんなに好かれてないんだ」
月夜がいつものようにバスの待ち時間を利用して、ニュ〜スアプリでグルメ情報を見ながら呟いた。
「ミカクのあきってゆ〜ケドそのわりにおいしいものすくないよね〜」
「まあ、好みには個人差があるから、サンマおいしいじゃん」
「ニガいし……ホネいっぱいだし……」
「松茸!」
「たべたコトないし」
「うっ……そういえばウチもない……匂いくらいは嗅いだ事あるけど……。
じゃ、ナス! 秋那須はっ‼︎」
「ナス! ナスまえにミソシルのなかにいれたらドロドロしちゃって、それいらいキラい!」
「リンゴ!」
「リンゴってあきのもんなの?」
「いちお〜ね。ほかにもイワシとか」
「につけにするとおいし〜ケド、そこまでテンションあがんないな〜」
「里芋は?」
「ごめん。サトイモがわかんない。サツマイモとジャガはあたまにうかんだけど……」
「ちなみに薩摩芋も秋が旬ね」
「ふ〜ん……なんかいろいろいっぱいたべててイイね」
「ぜ、全部食べてるワケじゃないわよっ!」
と、言いつつ大抵はコンプしてる月夜だった。