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無価値のレゾンデ~トル  作者: HAWARD
172/4293

ぞ〜かんGo Ⅻ

 おまたせしました。9件目ブックマ~ク登録のぞ~かんです。

ある週末――


「おじゃましま〜す」

「はいはい」

私服姿の月夜――残暑の残らない9月後半の夕方、さすがに半袖、丈の短いパンツルックは寒いのか、ワンポイントプリントシャツにカーディガンを羽織って靴まで掛かる丈長のデニムパンツ姿。

「きょうはおと〜さんもおか〜さんもかえってこないからくつろいでイイよ〜」

そう言って出迎えたイブキは夏のままのタンクトップにデニムショ〜トパンツ姿だった。

「帰ってこないって旅行?」

「ううん。ふたりともシンサクのうちあわせでヘンシュ〜ブにいってる」

「あぁ〜そうなんだ」

「うん。ごはんは『おにぎらず』でいい?」

「にぎらないのっ⁉︎」

「うん。いまハヤってるみたい。これレシピだよ」

そういってタブレット端末を渡す。

「本当だ! なんか人気ワ〜ドにはいってる」

「でしょ、でしょ。ノリのうえにグをおいてゴハンのっけてマキマキするだけだし」

「具はハムやシーチキンにレタスやチーズ――なんかサンドイッチみたい」

「ゴハンとノリではさめばサンドイッチといっしょだね。いっぱいヨ〜イしたからあとでたべよ」

そのとき『きゅぅ〜』と可愛いたしく月夜のお腹が鳴った。

「さきにたべようか」

「……うん」


大量に用意された具を全て平らげ、入浴を済ませイブキの部屋に――


「へぇ〜。意外」

綺麗に整頓されキッチリと本棚に並べられた漫画やラノベにゲームソフト、床のカーペットもホコリひとつ落ちていない。

「イガイってシツレ〜だな。イブキさんソ〜ジとかカジはわりとスキなんだよ」

「確かにさっきの具もハムタマゴとかおくらおかかとかちょっと手間のかかる具材もあったケド……」

「でしょ〜。月夜がくるからベッドシ〜ツもあらってほしたんだよ」

それを聞いた瞬間――

「たぁ!」

月夜ベッドにダイブ!

「う〜ん……イイにおい」

マクラに顔を埋めた月夜をスル〜してイブキは奥のデスクトップパソコンをつける。

「イブキ、イブキ。なんか読んでいい?」

月夜が本棚を指して、胸には気に入ったのかマクラを抱きかかえたままだった。

「ちゃんとモトのトコにかえしてくれるならいいよぉ〜。イブキさんきょうのド〜ガランキングチェックしてるから」

そういってイブキは気になった動画を月夜は本棚から気になった本を取りそれぞれ過ごす。


そして――


「月夜、月夜――これイイよ。ネズミをネコはおっかけて、そのネコをイヌがおっかけてせまいトコにトツニュ〜すんだけどイヌだけひっかかってでれなくなって目がウルウル――月夜?」

反応がない月夜に近寄るイブキ。

「す〜す〜す〜」

漫画を胸もうえにおき仰向けのまま静かに寝息をたてている月夜に気付いたイブキはパソコンを消すとベッドにモゾモゾと潜りこみ、リモコンで天井のLED電灯を消す。

「おやすみ月夜」

窓は秋風に吹かれ少し音を立てた。

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