いまじんぶれいか~
いつものバス停にて――
「ねぇねぇ月夜」
「ん~?」
イブキがスマホ画面を見ながら月夜に話しかけてくる。
「男子がさ~女子なったらやりたいコトってニュ~スがあるんだけど」
「ふむふむ」
「『温泉の女湯にはいる』とか」
「あ~定番だね~」
「ほかにも『女性専用車両に乗る』とか」
「乗ってどうすんだろうね。別にただの電車なのに」
月夜が次々と男性の幻想をブチ壊していく!
「あとは『レディ~スサ~ビスを利用しまくる』とか」
「なるほど。それいいかもネ。ウチもわりと利用するし女性だけ半額とか生脚綺麗な人半額とか――」
「いまさりげにジマンいれたね月夜。まっ! いいけどさ~……ほかにはカワイイカッコ~やオシャレしたいとか~う~ん……おとこのヒトもフツ~にオシャレしればいいのに……」
「そうだね。体格さえなんとかできれば化粧で誤魔化せるしね」
「あとは『男性を誘惑したい』とか『色男を誘惑してこわしめたい』とかいうイケンもあるね」
「ふ~ん……でもさ、さっきから聞いてると後半は女性になりたいってコトじゃなくて――」
「美人になりたいコトだよね?」
「あっ! そ、そうかも……」
「はぁ~……美人になるのも努力、美人を維持するのも努力なのにね……」
本日は徹底して幻想壊しの月夜だった。




