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ねつ。
いつものバス停にて――
「う~……」
イブキが青い顔してフラフラとよろける。
「うわっ!――っとっとと――」
月夜のほうにフラフラと危なげによろめいてきたイブキの肩と背に手を当てて支える月夜。
「はっ! これはいまハヤリのテングネツじゃ?」
「デング熱な」
イブキの言葉にあきれ顔の月夜が訂正する。
「そそ。その熱」
「でもアンタ……外でないじゃん。ど~やって感染すんの?」
「ん? そとでないとならないの?」
「いや……蚊にさされたら家からでなくてもなるけど……」
「ん? なんでムシがカンケ~あんの?」
「…………」
月夜はイブキの肩だけに手を残すと、
「うん。大丈夫! イブキは感染してないよ」
月夜は自信満々で言い切った。




