だいあもんど。
いつものバス停にて――
「空からダイアがふってくる!?」
「ダイア?」
月夜の呟きにイブキが反応した。
「ダイア、ダイアモンド。宝石よ」
「でも、なんでホ~セキがふってくんの?」
イブキが素朴な疑問を口にする。
「え~っとね……ロンドンにある宝石店がイベント目的で風船に200万円相当のダイヤモンドをつけて飛ばし拾った人にプレゼントするってサプライズイベントを開催したんだってさ」
「ふ~ん。あのさ――」
「ん?」
「ダイアモンド? ダイヤモンド? どっちがただしいの?」
「えっ!? いや~……ん~……」
月夜は口元に人差し指を当て視線を上に向けながら考える。
「パソコンやスマホのヨソクヘンカンだとどっちもでるんだよね~どっちがただしんだろ~?」
「ちょっと待っててね…………今調べてるから……あ~なんかどっちも正しいみたいよ。英語の発音っぽくしたら『ダイア』。でも『ダイヤ』で広辞苑にも載ってるみたいで、まあ意味が通じるならどっちでもいいみたい」
「ふ~ん。――で、なんのはなししてたっけ?」
「えっ!? ダイアとダイヤどっちが正しい読みかって――あれ? なんでその話しになったんだっけ?」
「ん~? なんでだっけ? イブキさんにもわかんないや」
「まっ――いいか、帰りにアイスでも食べていこ」
宝石にあまり興味のない純粋な二人だった。




