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いっせんごひゃくまんえん。
いつものバス停にて――
「1500万えん‼︎」
イブキの叫び声が陽炎揺らめく周囲に響いた!
「わっ! おっ――とととと⁉︎」
驚いた月夜がスマホを落としかけ寸前で持ち直す。
「ちょっとイブキ!」
「みてよ! これLINEのNAVERまとめでインセンティブおおくとったひとのホウシュ〜額だって!」
「「1500万円――」」
二人は一斉に学問の重要性を説いた偉人が描かれた紙幣を持った自分とその使い道を想像――いや、妄想しはじめた!
「ことしでた神ゲ〜とクソゲーがぜんぶかえる‼︎」
「薄くて高い本と厚くて高い肉が買える‼︎」
二人とも現役JKが求める品とは随分と違いのある物を想像した⁉︎
「神ゲ〜とクソゲー揃えるって――なにそれ?」
「神ゲ〜クソゲーをぜんぶそろえるってことその年のゲームギョ〜カイをセイハするのと同じコトなんだよムネアツだよ‼︎ 月夜こそ薄いとか厚いとかなにがいいの?」
「それは――」
二人とも手にいれてもないお金で夢――妄想を抱くのだった。