食べる女子。
いつものバス停にて――
「月夜、月夜。こてみてみて〜」
夏まっさかりのセミ声に負けじと声張り上げるイブキ。
「一体ど〜した?」
イブキの様子に嫌な予感がしつつも応じる月夜。
「これこれ月夜にロウホ〜だよ」
イブキが掲げるスマホ画面には『少食女子vsたくさん食べる女子』という見出しが目についた。
「あ〜またこ〜ゆ〜記事でウチをdisるんだ?」
「ん? ちがうよ〜よくみてよ〜」
そう言われよくよく見てみると、男性にアンケート調査をした結果などが載っていた。
それによると――少食が3割たくさん食べる女子が7割の支持といった結果になっていた。
「こ、これは――⁉︎ ウチの時代がやってきたって事かっ‼︎」
握りこんだ拳を炎天下の太陽に向かって突き出す。
「しかも――月夜みたいに大食いでタイケ〜かわんないのをかなりイイみたいだよ」
「え!」
「え!」
「ウチ……その……」
月夜はモジモジしながら、
「……その……体型……かわちゃってる……よ」
「え〜! い〜がい‼︎ ぜんぜんわっかんないよ〜」
「だって……み、みえない……とこ……だもん……ムネ――」
「イブキさんdisになるからそれイジョ〜いうのはやめようか!」