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「んがっ!?」
自分のカラいびきにおどろいて日和は目を覚ました。
まん前に、蒼白い無精ひげの顔があらわわれる。
「悪霊退散ナンマダブエロイエロイレバサバクタニナムアミダブツシキソクゼクーマーリマリオンフーカライデン臨!兵!闘!者!皆!陣!列!在!前!むひょー!!」
「なにをしとる」
溝口は自分の生徒に対してあわれみの目を向けた。
「はっ! ここは誰? ワタシはどこ?」
「ここは旧校舎だ。お前はここにいるだろう」
タバコのようなほそい葉巻をくわえた溝口は、その火を壁に押しつけて消した。甘ったるいにおいがあたりに立ちこめている。
心地よい香りだ。
ぼんやりするあたまで日和は思った。
「どうせ寝るなら、おれの部屋にこい。布団くらいは、貸してやろう」
そう言って、白衣を引きずり歩きだした。




