神様はきっと
掲載日:2026/03/24
彼は1人、教会への階段の真ん中に座り込んでいる。
体中に黒いビニールを巻き付け、少し震えながら、茶色い紙袋を両手で抱きかかえながら、優しい目でひどい言葉を並べ立てた歌を歌っている。
神様はきっと、黒い肌をしている。
そうさ、彼と同じさ。
永遠に続くガラス窓の中へと消えてゆく歌声。
横顔の向こうに綺麗なステンドグラス。
道行く人達は何処へ行くの?
銀色のカメラを首からぶら下げて僕はその前を澄まし顔で通り過ぎる。
友達のアパートへ。
「こんにちは!ご機嫌いかが?」
背広を着た彼は笑顔を浮かべて僕に言う。
「Oh! Mary Christmas for you!!」
真っ青な空高くを飛ぶ黒い鳥の姿が小さな汚れにしか見えない気分だぜ
街のざわめきが僕を包んで何処か遠くへ連れ去ってゆくよ
あなたの声はきっと誰の心にも届かないさ
小さなガラスの空
ゆっくり回りながら水の中へ落ちてゆくよ
目を閉じてそれをずっと見つめると
誰かが時計を捨てた悲しい音が聞こえた
道行く人達は何処へ行くの?
みんな同じ服を着てる。




