前へ目次 次へ 6/37 Chapter 6:追跡の影 間違えられた聖女の国が混乱する中、真の聖女を探す動きが始まった。信徒たちは森や街道を小走りで進み、遠くの小道に消えていく。 木漏れ日が僅かに差す森の中、足音が乾いた落ち葉を踏む。風が枝を揺らし、ざわめきが追跡者たちの緊張感を増幅させる。 「ここを進めば……必ず見つかるはず……」 司祭は手元の地図を何度も確認しながら呟いた。 雷鳴が遠くで響き、雲は厚く黒く垂れ込める。追跡の緊迫感と、国全体の不安が、森の静けさの中に忍び込む。