26/37
Chapter 3:試練の地へ
王都を出発したエリナとリディアは、魔力の異変が報告された山岳地帯へと向かう。
険しい道を進むたび、風が冷たく吹き抜け、岩肌に打ち付ける雨の音が緊張感を増幅させる。
「ここが……異変の中心地かもしれない」
エリナは手に光を宿し、足元の石や倒れた木々を照らす。
リディアも緊張した面持ちで光を放ち、エリナの隣を歩く。
「聖女様、私……まだ怖いです」
「大丈夫。私たちは一緒だから」
エリナは優しく微笑み、手を握り返す。
険しい崖を登りきると、眼下に広がる谷に奇妙な光の渦が見えた。
魔力の波動が大地を揺らし、木々の葉を不規則に舞わせている。
「こんな規模は、今までに見たことがない……」
エリナは決意を固め、光をより強く放つ。
リディアも勇気を振り絞り、エリナと共に魔力の渦を押さえようと光を重ねる。
光が交わるたびに、渦の力は少しずつ鎮まっていく。
夕暮れの空が赤く染まる中、二人は互いを見つめ、微笑んだ。
「私たちなら、できる」
「はい、絶対に」
試練の地で経験した困難は、二人の絆をより深め、未来への希望を確かなものにした。




