前へ目次 次へ 2/37 Chapter 2:追放された本当の聖女 遠く離れた国。黒髪の少女エリナは、家族に追い出され、薄汚れたマントを翻しながら森の中を歩いていた。靴は泥で濡れ、体は疲労で重い。 「二度と戻ってくるな!」 母親の怒声が背後に響く。 「……はい……さようなら……」 エリナは小さく呟き、誰にも気づかれぬよう深く森の中へと消えていった。 道中、枯葉が舞い、風が枝を揺らす音が耳を打つ。雨の匂いが湿った土と混ざり、孤独感が全身を包む。けれども、エリナの心には微かな希望が残っていた――自分が本当に導くべき国が、どこかにあるはずだと。