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未来への翼 Chapter 1:世界に広がる平和の兆し
春の陽光が広がる王国の村。
畑には豊かな緑が広がり、村人たちは笑顔で作物を収穫していた。
エリナはアルトと共に広場を歩き、村人たちと軽く会話を交わす。
「今年も豊作ですね」
「ええ、あなたのおかげです、聖女様」
エリナは微笑むが、胸の奥には小さな不安があった。
平和は続いている。しかし、世界のどこかで小さな異変が起きているかもしれない。
彼女はその不安を振り払うように深呼吸をし、広場に咲く花々を見つめた。
「アルト様、今日も皆さんが笑っていてくれることに感謝ですね」
「そうだな、でも油断はできない。平和は守るものだから」
二人の視線の先には、遠くの山々に僅かな黒い雲が漂っているのが見えた。
「……あの黒雲、気になりますね」
エリナの瞳に、次なる試練を迎える決意が宿る。
平和な日常の中に潜む、小さな兆し――
それが、これから訪れる世界規模の試練の始まりであることを、まだ誰も知らなかった。




