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Chapter 4:小規模な魔法の脅威
翌朝、森のはずれで異変が起きた。
枯れ枝が突然光を放ち、小さな竜巻のように舞い上がる。
通りかかった村人は驚き、慌てて家の中へと逃げ込んだ。
「奇跡……ではないかもしれません」
エリナは眉をひそめ、深呼吸をする。
彼女の胸の中には、不安と責任が混ざった感情が渦巻いていた。
「私がなんとかしなければ……」
アルトがそっと横に立ち、手を握る。
「無理をするな。僕も手伝う」
エリナは小さくうなずき、手を掲げると、優しい光が森に広がった。
光に触れられた枝や草木は元の穏やかさを取り戻し、空気に漂う不安も少しずつ消えていった。
村人たちは驚きと安堵で見守る。
「聖女様……」
子供たちの小さな声が響き、エリナの胸に温かさが流れる。
しかし、アルトの表情にはわずかな影があった。
「小さな脅威かもしれない。でも、これが大きな試練の前兆かもしれない」
夕暮れの森で、風に揺れる葉が微かにざわめく。
小さな奇跡を繰り返しながらも、エリナはこれから訪れる試練に思いを巡らせるのだった。




