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Chapter 3:新たな聖女候補の出現
ある日の夕暮れ、アルトの国に遠くの王国から使者が訪れた。
「我が国に若き聖女が目覚めたと聞き、報告に参りました」
その声は真剣で、同時にどこか緊張が滲んでいた。
エリナはその知らせを聞いて、胸の奥がざわついた。
「……新しい聖女?」
頭の中で、これまで自分が歩んできた道がよぎる。
自分は真の聖女として国を救った。しかし、別の地で同じような力を持つ者が目覚めたと聞き、複雑な思いが胸に広がった。
アルトは静かにエリナの肩に手を置く。
「君は僕たちの国を守った。そして君の力は揺るがない」
しかし、彼の瞳には心配の影もあった。
その夜、エリナは星空を見上げながら考えた。
もしその少女が本当に聖女として目覚めるなら、世界はどう変わるのだろう。
自分は導く者として、彼女とどう向き合うべきか――。
月光に照らされる庭で、エリナの手が小さく握られる。
「私、もっと強くならなきゃ……」
そう呟く彼女の瞳は、決意と覚悟に光っていた。
新たな聖女の出現は、静かに次の試練の幕を開けたのである。




