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Chapter 2:謎の旅人と告げられた警告
その日の午後、村の広場に異国風の旅人が現れた。
長いマントを羽織り、頭巾で顔の半分を隠したその人物は、誰も近づけない不思議な雰囲気を漂わせていた。
「古の封印が解かれ、再び災厄が目覚めようとしている――」
旅人の声は低く、しかし確かな力を帯びていた。
村人たちはざわめき、遠くから見守っていた子供たちも声を潜める。
エリナは一歩前に出て、その瞳で旅人をまっすぐ見つめた。
「それは……どういうことですか?」
旅人は頭を軽く下げ、地図のようなものを広げた。
「あなたが導く国に、再び試練が迫ろうとしているのです。警告に従い、準備することを勧めます」
エリナの胸に、重く冷たい緊張が走る。
アルトは肩越しに見守りながら、ゆっくりと息を吐いた。
「僕たちにできることは何でもする。君も無理をしなくていい」
しかし、エリナの心は静かに決まった。
「私が、この国を守らなければ――」
柔らかな春風が吹き抜ける広場で、少女は小さく拳を握り、未来の試練を覚悟した。




