表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/20

5.幸せだった頃

ーー昔は仲の良い親子だった。お母様の浮気が発覚して、私がお父様の本当の子供ではないと分かるまでは。

お母様の事を心の底から愛していたお父様は酷く心を病み、成長するにつれてお母様に似ていく私を視界に入れることすら嫌がった。食事を一緒に取らなくなって、私の部屋もお父様の部屋から1番遠い場所へと移された。さらには仕事だと言って滅多に家に帰ってさえ来なくなった。今なら分かる。きっとお父様は仕事ではなく、私に会いたくなかっただけなんだろう。そうして私たち親子は会うことすらなくなった。1人になった私はレイがいなければとっくに壊れてしまっていたのではないかと思う。

 そんな生活が何年も続き、ようやく慣れてきた頃、突然お父様は新しい母と妹を連れてきた。初めは、お父様にまた好きな人が出来て、お母様の事なんか忘れて、新たな家族として皆んなで幸せに暮らしていけるんだと思って嬉しかった。でも、私は初めからお父様にとって「家族」じゃなかった。だから私の家族は、大切なのはレイだけ。あの時にお父様と家族になる事を私は諦めてしまった。

…諦めたはずなのに、何もしなくても周りの人から、お父様から愛されるリリーナが羨ましくて、…憎くて。そんな事を考えてしまう自分が大嫌いで。

…ねぇ、お父様。どうしたら私を愛してくれますか?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ