これが…転生…?
さきほどの出来事から少し経ったころだろうか…
意識が戻ってきたのか体が自由に動かないこと、目が開かないことに気が付いた。
取り敢えず声を出してみようとすると…
「おぎゃー!おぎゃー!」
???
赤ん坊みたいな声が自分から出ているのが聞こえた。
「あなた、元気な子が生まれてきましたわ!」
「おお!なんとも可愛らしい子じゃないか!」
他にも声が聞こえてきたが、俺はそれが何なのか理解できていなかった。
ただ、この声の持ち主に親近感がわいた。
「この子の名前はどうしましょうか?」
「そうだな…なかなか悩むな…」
どうやらこれから俺の名前が決まるみたいだ。
ここがどんな世界なのかもわからないが、自分の名前は一生ついてくるものだ。
ちゃんとしたものにしてほしいと祈る。
「思い切って光宙なんてどうだろうか?」
…は?
いやいや、これから俺は一生そうやって名乗らなければいけなくなるんだが?
それだけはやめてほしい。
まじで(涙目)
「う~…」
「あら、いやそうな顔をしているわ。」
「そうか、この名前は嫌か…別世界では、はやっていると聞いたのだが…」
それ多分俺がもともといた世界だと思う。
とはいえ、名前がそれにならなくてほんとによかった…(安堵)
「普通の名前でいいと思いますわよ。」
「普通…か、確かにこの子には普通な人生を歩んでほしいな。」
この世界の普通が分からないから余計に怖いんですけど…
「じゃあ我が子の名前は俊人、信里 俊人だ。」
おお~、前の俺の名前と一緒だ。
「きゃきゃきゃきゃ!」
「喜んでいるみたい!」
「よし!この子は信里 俊人で決まりだ!」
良かったぁ~
光宙みたいなのにならなくて。
この日から俺は再び信里 俊人として生きていくことになった。