表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
86/88

第86話 運搬方法

 朝になって、お爺ちゃん達がスライムをテイムする数の上限の話をした。

話とはいっても、上限を10体ほどに上げることと詳しい理由を知りたい場合はダンジョンに行ってからって事、今日は全員スライムのテイムを狙うので警戒専門の人が居ない為、各自警戒する事を言われていた。

ぼうっとお爺ちゃんの話を聞きながら、昨日の事を思い出していた。

話が終わった後は手持ちのもので夕食を食べ、みんなは新しいスライムと交流していたので邪魔にならないように早めにテントの中に入ったんだ。

そこで、スライム達に今日は仲良くできそうなスライムを交代で捕まえてきてねってお願いしてある。

スライム達は張り切って動いていたし、くっついてスライム達だけで相談していたみたいなのでどんな子を連れてくるのかがとても楽しみ。

何となく肩に乗っかっていたローズをなでなでする。

”みんな昨日話した通りでお願いね”

”1体ずつ連れてくるでしょ。マスター”

”そう、色とか気にしないでいいからね”

”””””はーい”””””

元気な返事をもらった所で移動開始になったのでスライム達と戯れるのを止める。

今日も背中に乗せてもらって壁を越えてもらい、二日目で皆慣れたのか壁を越えたらすぐに移動が始まった。

移動しながら新しく仲間になるスライム達の名前を考えていたんだけど、全然浮かばない。

出会ってから直感で決めることにして、周囲の警戒をしっかりしながら皆についていった。


昨日と同じ場所に到着して、各々スライムを仲間にするために離れていった。

私は残ってくれたスライム達のバリアに守られながら新しい仲間の名前を考えることにした。

昨日から考えているんだけど、正直浮かばない。

うっすらと分かっていたけど私に名付けの才能なんかない。

もう連れてきてくれたスライムを見て直感でつけることにする。

名前はその時の直感に任せて、どれくらいで大きさを変えられるようになるかななんてことを考えていた。

"行ってきまーす"

最初に向かうローズに向けて手を振った。



それからあっという間に順番に連れてこられたスライムをテイムしていった。

仲間になった子達の色で直感でつけていく。

 連れてきた子⇒捕獲された子

 ローズ(赤)⇒ラピス(青)

 マリン(青)⇒ラル(赤)

 アンバー(茶)⇒リーフ(緑)

 リト(緑)⇒コレット(茶)

 ルル(白)⇒スス(白)

見事に色を関係なく連れてきてくれたのに色被りしなかった。

同じ色を連れてくるかなってちょっと思っていたんだけど、関係なかったみたい。

他の人も相性のいいスライムを聞いてテイムを試みているからか、新しい子を構っている人も多い。

私は所持している布からいい感じになりそうなものを選んでいた。

新しい子たちが、サイズを自由に変えられるようになるまでの間の移動に簡単に作れる巾着型リュックを作ろうと思って。

中に入ってしまったら外が見えないかもしれないから悩んでしまった。

「なんかうなっているけどどうした?」

近くにいたカイさんに唸っていたのが聞こえてしまったみたいだ。

「たいしたことではないんです。新しい子たちが大きさを自由に変えられるようになるまでの間、カバンに入ってもらおうと思ったんですけど、外見えないよなって思って」

少し隙間を作る構造にするかって悩んでいたら、解決策を目の前に出された。

「これ使えるんじゃないか?」

うっすらと白い透明な布が目の前に出された。

「ダンジョンは特徴に合わせて呼ばれているのは知ってるだろ。少し離れた裁縫のダンジョンってところで外れ扱いされている布なんだけど、今のニーナの悩みを解決できるんじゃないか?」

どういう布なのかうっすらと白い透明な布だった。

「確かにこれなら解決しそうです。でもなんで外れなんです?」

「こんな透けて見えるのにあくまで布だからな。水を吸うし、防御性も低い。好事家が使うくらいしか使い道が無いんだと。売るの忘れて持っていただけだから使えるなら使ってくれ」

好事家ねぇ……。

考えないようにしよう。

「カイさん、買い取りますから。いくらですか?」

「それなら俺にも作ろうとしているカバンを作ってくれないか?たしかに手でも抱えられるけどとっさに反応できなくなるからな」

「じゃあ、自分用に一度作りますのでそれを見てカイさんのも作るか決めますか?カイさんの分を作らないときは買い取らせてくださいね」

そう取り決めて、いっそその半透明の布だけを使って少し大きめの巾着ナップサックを作る事にする。

夕食後の自由時間にテントの中で作り始める。

以前貰った布と糸の中に少し太めの紐も入っていたのと、簡単な構造とスキルのおかげであっという間に完成した。

完成したナップサックに新しく仲間になった子達に入ってもらう。

形が固定されていないスライムだからか、5体全部入った。

半透明なので、5色のムニュムニュしている物が入っているのが分かってしまうけど、伝わってくる感情は楽しそうだからよしとする。

完成した物を見せるために、スライム達を入れたままカイさんに見せに行く。

「カイさん、出来た」

「随分早いな。ハハッ、すごいぎゅうぎゅうだな」

「でも楽しそうなので大丈夫みたいです」

「これよりもう少し大きいサイズで作ってくれるか?報酬はさっき渡した布全てで。あ、使う紐はこれ使ってくれ」

濃い緑色の太めの紐を渡されて頼まれた。

「はい。明日の朝までに作っておきますね」

「ダメ。もう今日は寝る時間だろうが。明日作ってくれればいいから」

「はーい」

釘を刺されてしまった。

その後は具体的な大きさを決めて、寝る時間になってしまったのでお開きになった。

テントに向かわされた時にも寝るように深く釘を刺されてしまったので作業することは出来無そうで残念。

テントに戻ったら、すでにサラとカレンがクリーンをかけている最中だった。

「おかえり、なにしてたの?」

「あれ、そんなナップサック持ってたっけ?」

中にスライム達が入っているから目立つナップサックにすぐに気が付かれてしまった。

「さっき、カイさんが譲ってくれた半透明の布で作ったの。これなら中に入れていても外見えるよ」

「いいなー」

「ねぇ、私も作りたいんだけど作れるかな?」

「作れるよ。構造が簡単だしね」

サラは2体のスライムを新しく仲間に加えたので、もうテイムは終了するみたい。

明日の朝、お爺ちゃん達に相談してお留守番してナップサック作りを許可もらえたら2人で作る事になった。

カレンはまだ茶色のスライムをテイムしていないから、明日もテイムしに行くって教えてもらった。

テントに入ってからそれなりに時間がたってしまったので、急いでおやすみを言い合う。

私も新しい子たちを含めた皆におやすみを伝えて目を閉じたら、あっという間に眠ってしまっていた。


ブックマーク、評価、いいねをありがとうございます。

大変励みになります。


誤字報告もありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ