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第76話 テントのたて方

お久しぶりです




 お店の前で別れてから、3人で内緒話をした。

「ニーナ、岩があるところって結構遠い?」

何かワクワクしているのが隠し切れないカレンが聞いてきた。

「ちょっと距離はあるけど、まだお昼前だし行って帰ってくることはできるよ。でも多少は持っているよ」

カレンと同じように小声で返事をする。

「もしかしたら結構使うかもしれないからなぁ。ねぇ、市場覗かずに採りに行こうよ」

持っていることを伝えても採りに行きたいみたいだ。

「カレン、どんな考えなのか話してよ。ニーナが作れるかどうかも判断してもらわなきゃいけないんじゃない?」

サラがなだめてくれて、ようやくカレンはどのような物を作りたがっているのかを教えてくれた。

「あのね、テントって地面に直接ポールを立てるでしょ。それを布やロープの引っ張りで立たせるじゃん。だからテントの床と同じ大きさの岩を用意してポールを立てるところに穴があればテント立てやすいかなって思ったの。雨の日も岩分の高さが出来るから床が濡れないし」

一生懸命説明してくれたのでイメージが簡単にできた。

雨降ってきたときのテント内の地面がぬかるむ心配もなくなるし、穴があれば確かにテントも張りやすそう。

欠点はその分テント内の高さが低くなることだけど、私達にはまだそこまで気にしなくていいいし。

「試してみる価値はあるかな?」

サラとカレンと3人で頷いて、急いで草原の岩場に向かって移動を始めた。


 周りをきちんと警戒しながら草原を私が知っている岩場に向かって移動する。

草原とは言っても道を外れているし警戒しながらなので、急ぎ気味ではあるがサラとカレンでもついてこれる移動速度しか出ない。

市場を覗かずに移動を始めたので、何とかお昼頃に岩場に着いた。

「思ったより遠かったね」

息を整えたサラが思わずって感じでつぶやいてた。

「テントのサイズを調べるためにも、一度テント張らなきゃ」

息を切らしていたのに元気なカレンが仕切りだした。

それからは、大騒ぎだった。

最初にカレンが真ん中の棒を持っていたんだけど、周りの棒を設置しようとすると真ん中の棒が引っ張られて支えきれずに倒れてしまったり、サラも挑戦して倒してしまったり。

結局私も試したけど、身体強化して支えて何とかなった。

周りの棒も設置位置でスライム達に倒さないように支えることを伝えて、スライム達が倒さずに支えられるようになるまで、何度か倒れてしまったり。

棒を支えている状態でテントを張ることはできたけど、どうやって棒を立てたままに出来るか悩んで、結局いくつか岩を出して棒を支えられるような台座の形に変形して手を離すことが出来た。

「終わってからなんなんだけど、向こうでもテント張るときロープで引っ張ってるよね」

「そうだよね。このテントの正解ってどんなんだったんだろう」

みんなで黄昏てから思い出した。

「そういえば、ダンさん達のテント張った時は野営地だったから棒を地面に埋め込んでいたような……。台座かもしれないけど」

カレンとサラからは、早く思い出してって怒られた。

「でも、岩を追加して台座とつなげる形で床を作れば成功なんじゃないかな?ニーナ作れる?」

「もちろん。あ、でも岩を移動させるのは一緒に手伝ってよ。収納して取り出せばいいんだから」

張ったテントをスライム達に見張りをしてもらって、3人で岩場で収納してまわった。

多めに収納して、テントの床の部分に岩を置いて行ってもらう。

「どれくらいの高さにすればいいかな?支えの部分はその分盛り上げればいいよね」

「床だから私たちが乗っても壊れない必要があるよね。3cm位あれば大丈夫かな?」

「今は軽いからね、私たち。後で追加で変形できるならそれくらいの厚みで作ってみればいいんじゃないかな。棒の部分は10㎝位でどうかな?」

厚みは2人の案を採用して、3㎝と棒の支えの部分は10cmで作っていく。

大きいので少しずつ岩を変形させていって、丁寧に作っていった。

「できたー。全員で乗ってみよう」

入口から見守っていてくれた皆をテントの中に呼び込む。

全員で乗っても床が割れることもなく、棒も支えることが出来た。

「じゃあ、一度テントを外して無事に張れるか試さなきゃね」

サラがいい笑顔で言い切った。

内心、お昼って思ったけど逆らうのがなんか怖かったので大人しく従った。

試した結果、棒を支える部分はもう少し高くしたほうが安定したので変更したけど、それ以外は上手く張ることが出来た。

テントを片付けて、床と一緒に収納する。

「おなか空いたから何か食べようよ」

このタイミングしかないとお腹が空いたことを訴えた。

「私もお腹空いた」

悲しそうな私とカレンの声に、苦笑したサラが頷いてくれたので、スライム達に椅子になってもらってお昼を食べた。

もちろん草原なので、周りを警戒しながらなのでお腹いっぱいではなく軽く食べる程度にとどめる。

「この後、もう少しだけ岩を収納してもいいかな?作る予定のスープを入れる鍋を作りたいの」

この後の予定を立てるためにも、やっておきたいことを相談する。

「ねぇねぇ、私達にも岩を変形して作ること出来るかな?」

「出来ると思うよ。ただ、すぐに出来るかは分からないけど」

サラの質問に答えるけど、すぐにできるとは限らない事も併せて伝えておく。

「私は最初から土魔法を最低限とはいえ持っていたから出来たってのもあると思うから」

最近は忘れていたけど、持っていたよ土魔法。

「あ、私もそういえば持ってる」

そういえばカレンは持っていたけどサラは持ってなかったよね。

「まあ、持ってなくても練習すれば何とかなるらしいからね」

サラがちょっと落ち込んだのが伝わってきたので、元気が出るように励ます。

「急いで岩を収納して、街の近くかギルドの広場で練習してみない?」

街の近くか、ギルドの広場ならそこまで危険なく練習できるから提案する。

相談の結果、集中しても安全なギルドの広場で練習することになった。

急いで岩を収納して、周りを警戒しながら急いで街に戻った。



ブックマーク、評価、いいねをありがとうございます。

大変励みになります。


誤字報告もありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

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