第72話 スライム達と相談
長い間投稿せずに、すみませんでした。
投稿頻度は以前より低くなってしまうと思います。
ですが、今少しずつ書いています。
少ししたら満足したのかベッドから起き上がってきた。
「下にシーツみたいに布を敷いたらより快適そうだな」
お爺ちゃんの素敵なアイデアを忘れないようにメモ代わりの木の板に焼き付けた。
みんなが起き上がる前に雨や石の鍋も焼き付けてメモしておいた。
「敷物は利用してなかったので、予算と相談だね。今までは寝るときに毛布を被るだけで大丈夫だったよ」
カレンとサラに毛布を持っているか聞いたら持っていたので、毛布は追加で購入しなくて済みそうだ。
「ニコお爺ちゃん、スライムテントで寝るとしたら普通のテント要るかな?」
お爺ちゃんは悩んだ末に答えてくれた。
「必要だな。雨が降っている時に食事するときにはテントがあった方が食べやすいし、肌寒いときは同じテントに人がいるだけで寒さが和らぐし、安心感が違うからな」
やっぱり必要なんだね。
カレンとサラと頷いて購入することを決定した。
私がスライムに椅子になってもらって座っているのに気が付いたみんなは、スライムに変形してもらって同じように座った。
「なんかスライムが居ると色々常識が変わるな」
「スライム達は賢いですよ。自分で考えて特訓してくれてますからね」
カレンとサラもスライムを抱きしめながら頷いている。
「そうそう、ネモがカスミとリーフに大きさを変える方法を教えて練習してくれるし、気が付いたらバリアも教えて練習しているからね。いい子達だよね」
「ええ、うちのおもちもずんだとラムネに教えてましたよ。今ではバリアも最初よりは強度が上がったみたいですしね」
おもちもネモもバリア頑張って練習したんだね。
みんな頑張り屋さんだよね。
「移動中の物で必要そうなのはテントだけかな。椅子も持っているし、毛布もあるんだよね」
「そうだと思うよ。明日は買い出しとスープを作ろうか?」
「いや、明日は草原に行ってスライム達のご飯になる雑草をむしって収納しよう。薪に出来る枝なんかも拾えるしね」
「スライムってなんでもたべるじゃない。なんで雑草なの?」
カレンが心底不思議って顔でこちらを見た。
「お菓子や食事などを分けて味が分かるか実験してみたんだけどわからなかったみたいだから、食べなれた草がいいかなって思って草原で薬草採取する際には雑草も収納していたの。カレン達は何を食べさせてあげていたの?」
「私達もスライムに一生懸命話しかけて声が聞こえるようになった時に聞いたんだけど、雑草でいいって言うから外に出た時に食べさせていたよ。でも、何かほかにあるのかなって思ってて」
カレン達もスライムに聞いて草を食べさせてあげていたんだ。
「これからさ、色んなものを食べ比べさせてみようか。もしかしたら好みがあるかもしれないし」
「そうだね。好みの草とか石とか、お菓子が好きな子もいるかもしれないね」
今後機会があったらスライム達に色々食べ比べをさせて、好みがあるかを探っていくことにした。
出来れば好きな物が分かるといいな。
いつのまにかスライム談義になってしまっていた。
「そろそろ片付けて解散しなきゃな」
お爺ちゃんたちの声掛けで片づけを始めた。
といっても、スライムたちにもとの姿に戻ってもらって、収納していた机などを戻すだけだからあっという間に終わった。
「相談に乗ってくれてありがとうございました」
3人でお爺ちゃんにお礼を伝えた。
お爺ちゃんは笑いながら頭をなでてくれた。
「役に立てたならよかった。買い物に行くならちゃんと保護者についてきてもらえよ」
忠告にもちゃんといい子のお返事をしておいた。
みんなで部屋を出て、食堂に向かうお爺ちゃんとは手を振って別れた。
私達はレンとサラのお迎えが来るまで、広場の隅っこに移動しておしゃべりすることにした。
「なんか巻き込んじゃってごめんね」
小さな声で2人にあやまった。
「ほんとニーナは凄いこと考えるよね」
サラが小さな声で返してきたが顔は笑っているし、カレンも笑いながら頷いていた。
「今回のは私だけのせいじゃないよ」
小さい声で話しているのに、心情的にもっと小さな声になってしまった。
その声を聞いたカレンとサラから肩をつつかれたりほっぺをつつかれたりした。
だんだん可笑しくなってきて、3人して笑ってしまった。
「明日は草原行くんでしょ。ならさっき言ってたこと出来る?」
カレンが小さな声で、でも期待を込めて聞いてきた。
「きっと出来るよ。午前中に採取して午後にのんびり入りなよ」
カレンとサラは器用に小さな歓声を上げて喜んだ。
気持ちはとてもわかるから、私も一緒に小さな歓声を上げて喜んだ。
そんな感じにおしゃべりしていたら、二人のお父さんたちが迎えに来た。
遠慮したんだけど、結局夕飯もご馳走になってしまってから明日の約束をして別れた。
借りておいた部屋に入り、以前と同じようにスライムたちと手分けしてクリーンをかけていく。
ベッドに転がりながら、スライムたちを捕まえてモニュモニュする。
「ねえ、私もスライム増やしたほうがいいかな?」
どうやら話はルルに任せたみたいで、他のスライムたちは自由に動き回っている。
"私たちはこのままでも仲間が増えてもどちらでもいいよ"
"通信に出ても、マスターのところに3残るから"
ルルの答えに少し疑問に思ったことを聞いた。
「3体私のところに残ればいいの?」
"うん。以前マスターと話していた戦い方だと3体はマスターと一緒にいるのが必要だから"
ルルは以前話していた戦闘スタイルの話を覚えてくれていたんだ。
「そうだね。3体は私のところに居てもらえるようにしないとね」
嬉しくなって、ルルをなでなでする。
今のスライムの数では、手元に3体残すと通信に出せるのは2体になる。
サラとカレンの3人で活動する分には不自由ないけど、さらに他の人と一緒に行動するときには手元に3体残らない。
そう考えるともう少しスライムをテイムしてもいいかもしれない。
「多分、もう少し仲間を増やすよ」
"仲間増えたらみんなで歓迎するよ"
自由気ままに動いていた他の子たちも、歓迎を示すようにポムポムしていた。
「今日はもう寝るよ。今日は試しにベッドの上でベッドになってもらってもいい?」
ベッドから降りてお願いしたらリトが素早くベッドの上でマットのように形を変えてくれた。
お礼を言ってリトの上で寝転がる。
確かに寝心地が段違いに違う。
より寝心地をよくするためにシーツにも使えそうな布を買わなきゃ。
「明日もいつも通りに起こしてね。おやすみ」
"""""おやすみなさい"""""
スライムたちに声をかけて目を閉じる。
なんか色々あって疲れていたのか、スライムベッドのおかげか、あっという間に眠りに落ちていった。
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