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第69話 予定外の合宿決定

 食べ終わってカレンの父親達にお礼とご馳走様でしたを伝え、片付けも終わった頃にお爺ちゃん達が食堂にやってきた。

「お爺ちゃん、私の仲間のカレンとサラです。2人と2人のお父さん達も一緒に聞いてもいい?」

お爺ちゃん達の所に走って行って、カレンとサラを紹介して話し合いに参加していいか聞いてみた。

「ニーナの友達だろ?そうなるだろうと思ってたよ」

どうやらお爺ちゃん達はカレンとサラの関係をもともと知っていて、こうなると思っていたみたいだ。

「みんな食べ終わっているなら、下の部屋借りて始めようか」

そう促してくれて、みんなで1階に移動した。

トムお爺ちゃんがギルドの人に声を掛けて部屋を借りてくれた。

借りた部屋に行くと、以前借りた部屋より少し大きい部屋で10人でも余裕をもって使用できる部屋だった。

ニコお爺ちゃんに呼ばれたので隣に座って、逆側にサラ、カレン、カレンの父親たち、ダンさん達が座った。

「じゃあ、さっさと始めるか。俺はニコラス。こいつはトムだ。昨日居なかったニーナの友達にもわかるように最初から話すぞ」

そう言って、ニコお爺ちゃんは昨日の事をまとめて説明してくれた。


 ・スライムがバリアやクリーンなどの基礎魔法を使用出来る事

 ・風魔法や水魔法などが使用できるスライムも居る事

 ・アイテムボックスを使用できるスライムも居る事

 ・瞑想と魔力譲渡によってスライムからの魔力回復が出来る事

 ・マスターと念話が出来る事を利用しての、スライムを介した伝言のやり取りが声を出さずに出来る事


そして、魔力譲渡もそうだけどスライムを介しての伝言のやり取り‐スライム通信‐を広めるにはどのようにしたらいいかを相談されたってところまで簡潔にまとめてくれた。

「昨日の状況は理解できたか?それで俺たちが提案する大まかな流れを説明するな」

お爺ちゃん達が提案してくれた内容をまとめると。


 ・スライムをテイムしてかわいがっている古参に声かける

 ・その古参連中と私達で夏だけど合宿を行う

 ・合宿の間にスライム達を特訓して、基礎魔法、魔法、魔力譲渡、スライム通信が出来るようにする

 ・戻って来てからギルドに情報を公開する


つまり、大勢が合宿中に偶然に見つけた情報であれば既にある程度の人数が知っている情報になるし、ギルドに知識を渡すことで色々な意味で安全に情報を広める事が出来るようになるって事みたいだ。

「でも、この時期に合宿する事ってないんでしょ?逆に目立っちゃわない?」

今が冬なら合宿があるってダンさん達にこの前聞いたけれど、この時期の合宿は言ってなかった。

「それも大丈夫だ。昨日ダン達に俺たちが呼ばれたのはニーナが冬を越せるか心配しているから何とかできないかって相談されて、ニーナを気にかけているのに構えなかった俺たちが張り切ってニーナの不安を解消できるように合宿を提案したって話を広めるから」

「そうそう、これから声を掛けるつもりの奴らも同じように構いたくて構えなかったの周りは知ってるから納得するぞ」

思っていたより、気に掛けてくれるお爺ちゃん達がたくさんいたみたいだ。

それで周りが疑問を抱かないならいいのか?

「その合宿までにスライムをテイムしに行こうと思っているんだよ。スライム通信をするには最低でも2体は必要だからな。本当は俺も色違いで5体揃えたいんだけどな」

「私も色違いをテイムしたいな」

サラが残念そうに言った。

その様子を見ていたお爺ちゃん達が相談し始めた。

「じゃあ、色違いスライムをテイムしに行ってそのまま特訓合宿をすればいいんじゃないか?ニーナはサラとカレンの仲間だから当然一緒に行くし、ダン達は5体テイムした先達として誘ったって形で」

トムお爺ちゃんが提案してくれた。

「でもよ、スライムを特訓するには優しいダンジョンが都合いいと思うんだけど、鉱山の街とは反対方向だぞ?」

ダンさんがもっともな疑問を口にした。

そしたらニコお爺ちゃんがニヤって笑っていった。

「赤と茶色のスライムの場所を知っているって言ったろ。それは優しいダンジョンを越えた先にあるんだよ。街道から外れたところに村があるんだ。宿泊施設は無いから野営になるだろうけど、一応柵はあるし面子を考えればまあ問題ないよ」

鉱山の街より近くに赤と茶色のスライムが居る場所があるんだ。

「まずはスライムをテイム。その後に優しいダンジョンに行って特訓する。スライム達を特訓させている間にニーナたちにダンジョンを経験させることも目的に入れてもいいな」

「私も新しくテイムしたほうがいいのかな?」

私も追加してテイムする必要があるのか知りたかったので、お爺ちゃんに聞いた。

「今ニーナはカレンとサラの3人グループだろ?5体いればいいと思うが、ニーナがスライムになにかさせるつもりなら、ニーナが考える数にスライム通信に出すスライムの数を足した分だけ必要だな。これは他の奴らにも言えることだからな」

私は今の所、ルルとマリンとリトを私の所に基本は居てもらって、ローズとアンバーに通信に出てもらえばいいのかな?

夜にでもスライム達と相談することにした。

「ニコラスさん。私とカレンはまだニーナみたいに出来ないけど一緒に行って大丈夫ですか?」

サラがニコお爺ちゃんに質問していた。

「サラとカレンはニーナと同じでニコお爺ちゃんでいいよ。2人はどれくらいできるんだ?」

「バリアは大分強度が出てきました。魔法攻撃がメインで親に付き添ってもらって角ウサギの狩猟には行ったことがあります」

どうやら私がダーモットに行っている間に角ウサギの狩猟を経験したんだ。

「それなら問題ないな。優しいダンジョンは最初はスライムでその後が角ウサギだ。2人のいい特訓になるぞ」

ほっとした様子のサラとカレンに私もほっとした。

「他に聞くことないなら話を進めるぞ。期間はどれくらいになるかは予測がつかん。俺たちやニーナたちは護衛とか受けていないから余裕があるがダン達は馴染みの商人とかに留守にすることを伝えておけよ。準備もあるから今から6日後に出発でいいか?」

私は特に問題ないので頷いたし、サラとカレンとその父親達も頷いていた。

「俺たちも問題ないよ。それより声を掛ける予定のニーナを構いたがっていた奴に聞かずに予定を立てて大丈夫なのか?」

「大丈夫だ。昨日の段階で奴らに1カ月か2カ月暇か?って聞いて、暇だって言ってたから大丈夫だ。それで声を掛けられることは想定しているだろうしな」

昨日の段階からお爺ちゃん達は下準備してくれていたんだ。

「みんな問題なさそうだな。各自準備として食料や野営のためのテントを準備するように。じゃあ、6日後の早朝にギルドの広場で待ち合わせな。揃うまで出発はしないけど寝坊するなよ」

この会合が終わったらカレンとサラとテントをどうするか話し合わなきゃ。

「あ、ニーナちょっと耳貸せ」

ニコお爺ちゃんに声を掛けられたのでより近づくと耳元で小声で言われた。

「ニーナは身体強化と持続力強化出来るんだろ。もしニーナがカレンとサラにそれを教えようとしているならしなくていいからな。自分で学ぶ機会を奪うなよ」

言われてドキッとしてしまった。

確かにちょこっと6日間の間に覚えることが出来たら、カレンとサラがそんなに疲れずに移動できるんじゃないかと考えていたから。

「はい、わかりました。教えたりしないけど、2人がいいところまで気づけたらヒントを出すのはいいかな?」

「それはいいけど。あまり基準を甘くするなよ。2人の為にならないからな」

もっともなニコお爺ちゃんの言葉に頷いて返事をした。

「基本俺かトムが夕食時には食堂に居るようにするから、相談が必要な時には声を掛けてくれ。必要な物が分からないとかでもいいぞ」

準備期間の間、相談先をちゃんと用意してくれるのは合宿を何度もやっている経験からなのかな。

とても助かるし、せっかくだから会合が終わってから早速相談に乗ってもらうことにした。


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