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第68話 お土産


今年もよろしくお願いします。


 おでこにポヨ、ポヨって感触で目が覚めた。

スライム達が順番待ちしながらコロコロ転がっておでこにぶつかるって事をして起こそうとしていた。

目を開けてもそのまま順番待ちをしながらポヨってしてくるのをやめない。

まあ、楽しそうだからボーッとしている間はそのままポヨってさせておくことにした。

少しづつはっきり起きてきたので、体を起こした。

ポヨってするタイミングだったマリンが不満げな気持ちを伝えてきたので、モニュモニュを全員にしてから朝の運動の準備をする。

部屋を出て久しぶりに広場に向かうとカレンとサラが居た。

2人もこちらに気がついてこちらに向かって走ってくる。

私も2人に向かって走って抱きついた。

「カレン、サラ、ただいま」

「おかえりニーナ」

「お帰りなさい」

2人と帰還の挨拶を笑いながら交わす。

「お土産買ってきたよ。後で渡すね」

「ありがとう」

「ありがとう。でも、無事に帰ってきてくれたのが1番よ」

3人でキャッキャッ再会を祝っているとカレンの父親から声がかけられた。

「ニーナお帰り。カレン、サラ運動が途中だろ。今日は休みにする予定なんだからニーナの予定を聞いて運動が終わってから話をしなさい」

「私も今日は昼までお休みなの。朝食食べたら食堂で待ち合わせでいい?」

カレンとサラは嬉しそうに同意してくれた。

「じゃあ後でね」

そう言って手を振ってカレンとサラは運動に戻った。

私も人が少ない場所に移動して、スライム達を降ろす。

今日はローズとアンバーのバリアの特訓をするって張り切っていた。

バリアを出来ないとスライム討伐訓練に連れていけないからね。

私は横で柔軟を長めに行った後に軽めの走り込みと素振りを行った。

スライム達を回収して部屋に戻る際に延泊手続きを忘れずに行う。

部屋でさっさと朝食を食べて、食堂に移動する。

カレンとサラが既に待っていたので、同じテーブルの席に座る。

「改めて、ただいま」

「「おかえり」」

改めてカレンとサラと帰還の挨拶を交わす。

「お土産はこれだよ」

アイテムボックスからマホングで購入したドックタグの様な金属板と白い革紐を取り出す。

「これ名前入れてもらったの。それぞれの目の色の石が付いているんだよ」

気に入ってもらえるか心配で、カレンとサラの様子を伺う。

「かわいい」

「お揃いなんですね。かわいいです」

良かった、2人とも気に入ってくれたみたい。

カレンとサラにお土産を渡して、私は自分の分を紐を通して首にかけた。

それを見ていた2人も紐を通して同じように首にかけてこちらを見た。

3人でなんか少し照れた感じで笑って、服の下にドックタグを大事にしまった。

「ねえねえニーナ、そういえばどこに行っていたの?」

「鉱山の街のマホングに行っていたんだよ。この子たちをテイムしに行ったの」

紹介すると思っていたので部屋から抱っこして、今もおとなしく膝に乗っていてくれたスライム達からアンバーとローズを持ち上げてカレンとサラに紹介する。

「この辺では見かけない色のスライムが居るって教えてもらったから、テイムしに行くダンさん達に一緒させてもらったの」

「かわいい。赤色と茶色なんだね」

「かわいいでしょ。名前はローズとアンバーだよ」

ここぞとばかりにローズとアンバーの可愛さ自慢をする。

「この子たちの可愛さを語ったら終わらないから我慢して違うこと言うよ。マホングにはスライム以外にも凄い物があったんだよ。温泉があった」

2人が凄い勢いでこちらを見た。

「温泉?」

「湯船があるタイプの?」

反応が怖いけど、2人は転生して10年間湯船を使用していないとしたらこの反応にもうなずける。

「湯船がある宿を選んでもらったから、湯船があったよ。専用の服を着てクリーンしてお湯に浸かるんだけどお風呂だったよ」

「ニーナ、帰ってきたばかりだけど旅に出ない?」

「そうね。一緒に旅をするのも楽しそうよ」

「サラもカレンも落ち着いて。いつかは行くけど今すぐだと私お金なくなるよ。必ず一緒に行くから落ち着いて」

よっぽどお風呂に入りたいのかまだ気持ちが収まらないようなので、逆に提案することにした。

「明日の予定はどうなってる?大丈夫なら一緒に草原に行こうよ。服着たままになるけどお湯に入れるから」

「ここら辺に温泉あるの?」

「違うよ。大きなタライ?浴槽を石で作ってお湯入れて時々入っていたの。それでよければ明日入る?」

凄い勢いで頷いている。

どうやらなんとか今はマホングに行く事を諦めてくれたみたいだ。

それからは宿のお風呂がどんな感じだったとか、カレンとサラがどう過ごしていたかの話などであっという間に時間が過ぎていたようだ。

気が付いたらお昼近くになっていて、ダンさん達が食堂に入って来た。

「すみません、私まだお昼食べていないです」

「俺たちもまだだから大丈夫。ちゃんと挨拶していなかったな、ダンだ。俺の仲間のロウとカイだ。よろしく」

「カレンとサラです。よろしくお願いします」

そういえばダンさん達とカレン達は挨拶するタイミングが無かったんだっけ。

「ダンさん、2人をこの後の打ち合わせに参加させてもいいですか?私と一緒に活動するから知っていた方がいいかと思って」

「いいと思うぞ。だって3人で活動するんだろ?」

「はい。えっとね話聞かずに進めてごめんね。お昼後に打ち合わせがあるんだけどそれに参加してもらいたいんだけどいいかな?」

2人の意思を聞かずに話をしてしまったので、恐る恐る聞いてみた。

「何の話かさっぱり分からないけど、ニーナと一緒に活動するために必要なんでしょ?もちろん参加するよ」

「そうね。ニーナと一緒がいいもの」

迷いなくいってくれる2人が嬉しくて、笑顔でお礼を言った。

「ちょっと待ってくれ。過保護と言われるだろうが娘が関わるなら俺たちも話を聞かせてもらいたい」

サラの父親が慌てたように声を上げ、カレンの父親も慌ててこちらに来た。

「そんな慌てんな。もちろんカレンとサラが参加するなら2人にも参加してもらうよ」

流石に10才の子どもを打ち合わせに参加させるので、その保護者も参加させるつもりだったようだ。

「取り合えず昼を食べよう。もしかしたらカレン達の参加は認められないかもしれないんだから」

確かにお爺ちゃん達が来る前にお昼食べちゃわなきゃ。

買いに行こうと席を立とうとしたら、カレン達の父親に制止されたしカレン達に止められたのでそのまま座って待っていることにした。

おしゃべりして待っていると、カレン達の父親が食事を机に並べ始めた。

「じゃあ、私席移動しますね」

カレン達が父親とお昼を食べるのだろうと席を移動しようとしたら、カレン達にも父親たちにも止められた。

「娘の友達にお昼くらいご馳走させてくれ。俺たちは向こうのテーブルで食べているから」

そう言ってさっさとテーブルに戻って行ってしまった。

「いいのかな?」

「いいのいいの。どうやら私たちに友達が出来たのが嬉しいみたいで」

「そうなの。私たちがニーナと一緒にやった事を話をしている時にかなり嬉しそうだったから」

まあ、カレンとサラがそういうのならご馳走になって大丈夫なのだろう。

ありがたく一緒に食べさせてもらうことにした。

お昼を食べている間も3人で楽しくおしゃべりをしていたら、あっという間に時間がたっていて周りは食べ終わっていた。

周りが食べ終わっているのにようやく気が付いて、3人で慌てて急いで食べ終わらせた。



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